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2016年3月10日木曜日

魔法使いの嫁 アニメ化!



自分は美しいものが観たいのだなあ、とPVを見てしみじみ思いました。

2015年1月29日木曜日

2015年ベスト1が、九井諒子の「ダンジョン飯」ですでに決まってしまった件

読みました? ダンジョン飯。



もう最高じゃないですか。2015年ベストですよ。
よほどのことがない限り、これは揺るがないんじゃないかと思っています。
(内心では、動かされることを期待してもいますが)

今回はちょっと長くなりますが、本作品の魅力について
好きに語らせていただきたいと思います。

最終的な結論は一番上の四行なので、下は蛇足です。
バジリスクの頭です。



九井諒子のこれまでの作品を読んできて、
すごくすごーくうまいなーと思ってしまったのは、リアリティラインの引き方です。
リアリティラインというのは、要するに「ウソくささ」と言っても良いかも。

このラインコントロールの巧みさに、我々はついつい九井諒子ワールドに
引き寄せられ、取り込まれて魅了されてしまうのです。

もちろん創作物はつくりもの、全部ウソなわけですが、そのへんは見る側・読む側も
織り込み済みで、さあこの作品はどうやって僕らをだましてくれるんだろう? と
ワクワクしながら望むわけですよ。で、期待通りだったりそうじゃなかったりすると。



本作はタイトルからして「ダンジョン飯」。出オチ感が半端ない。
ふんふんなるほどね。ダンジョンでモンスターを飯にするグルメマンガかな?
なんていう期待に胸を膨らませて本を開いてみるわけです。




すると、いきなりダンジョンに挑戦中のパーティがドラゴンにやられて全滅。
ドラゴンに食べられてしまったらしい主人公の妹を除いて、全員一文無しで
ダンジョンの外に放り出されるところから始まります。

助かってしまった主人公は、妹を助けに(蘇生させに)行きたい。
わかりやすい動機付けが読者に提示されます。

さらにここで、ファンタジー作品等に慣れ親しんでいる読者なら、
なるほど魔法あり・蘇生ありの世界観なんだなと理解できます。
(しかもウンコから蘇生とか言ってるので、わりとゆるいノリだなということも分かります)

でもその後、主人公は自分たちに何も残されていないことに気づきます。



装備なし・金なし・食料なしの八方ふさがり。メシを食わなきゃ
人は生きていけない。このあたりでリアリティの壁が見え隠れし始めます。

そして主人公は一大決心。



倒したモンスターを調理して食いながらダンジョンの最奥部を目指そう!
などと言い出します。当然、パーティの仲間は大反対。



反対をおしてそのあとすぐ、オオサソリを倒して強引に煮て食ってみようとする
主人公でしたがゲキマズでゲロゲロ状態に……


しかしその後、どこからともなく現れたドワーフ族の男が、
オオサソリの正しい調理法を主人公たちの前で披露し、
あっというまにモンスターをおいしい鍋に変えてしまいます。

恐る恐る仲間もこれに口をつけ、意外な美味に驚きますが、
心理的な抵抗は消えず……

これです。これが実にうまい!
いやオオサソリは、ただ煮て食ったらまずいんでしょうけど。
(それにしてもこのエルフ娘のリアクションはいちいちかわいい)

「モンスターを調理して食うこと」自体は、このゆるいファンタジー世界の中にあっても
異端であり異常な行為であると仲間の反応を通して語っているわけです。

この対立構図がないと、たんなるゲテモノ食いバスターズになってしまいます。
だからこそ、目次という名のお品書きの最後にある「動く鎧」という項目に、
えっそれ食べるの、どうやって!? と心惹かれることになるのではないでしょうか。
(解決法は見事なものです。あとは読んでのお楽しみ)



またこの作者ならではといえるディティールの細かさが、世界に深みを与えてくれて、
「この世界のリアル」が読む側の脳内でどんどん積み上がっていきます。

ダンジョンが存在する理由も何かあるようですし、モンスターにはそれぞれ生態がある。
そしてこれらを「正しく調理」してこそ、初めて人が食べ得るものになる。
現実でも同じですよね。じゃがいも一つとっても、ちゃんと調理しないと単なる毒です。

本作品に欠点があるとしたら、まだ2巻が出ていないということでしょうか。
1巻を読み終わったら、この面白く魅力的な世界観から脱却しなければならないのです。
そんな、耐えられない! 早く2巻を、2巻を食べさせてくれえ!

といったところで、本日はこのへんで。
長文失礼いたしました。




ちなみに2015年のベスト1が「ダンジョン飯」なら2014年のベストは何なんだ、と問われれば
やはり「魔法使いの嫁」と応えるでしょう。

どうもファンタジーものに弱いのかな。

2014年4月11日金曜日

魔女っ子速報

サボりがちな本ブログですが、
久々にこれは! という作品に出逢った(正確にはまた北野さんにすすめてもらった)ので
ご紹介したいと思います。

ヤマザキコレ「魔法使いの嫁」です。



おいおいまた魔女っ子ものかよーという感じですが、この作品、実にイイ!

お話はどこかのオークション会場で、一人の少女が競売にかけられる場面から始まります。
昏い眼の貧相な少女に、なぜか次々と高値をつけていく人々。
しかし少女を落札したのは、骨頭を持つ異形の"魔法使い"なのでした。



魔法使いは少女を英国の自宅へと連れ帰り、彼女を手厚く保護します。
そして彼女を"魔法使いの弟子"にすると、そして自分の嫁にすると宣言するのでした。

力を持つ保護者+未熟者の被保護者という関係性は、少女漫画でよく見る構図でもあります。
しかし主人公の少女は、跳ねっかえるでもツンデレるでもひたすら戸惑うでもなく、
これまで知ることのなかった世界の側面を、実に素直に受け入れて吸収していきます。

なので読む側としても、素直に作者の描く魔法と幻想の織りなす世界に
入り込んで酔いしれることができます。この世界観が実に美味でしてね。



魔法と妖精と竜のいる世界ですよ。まるで絵本を覗いているかのよう。
魔法と魔術の区別があったり、竜の生態系を作ったりする理屈くさい部分も、
中二ココロをくすぐりまくりです。

もちろん少女と周囲を取り巻く人々(人外含む)の関係性も見逃せません。

これまであんまり良い境遇下になく、自分を棄てかけていた少女が、
魔法使いを始めとする幻想世界の人々に迎え入れられている様子は
ココロ温まるものがあります。魔法使いも威厳あるかと思えばギャグ顔にもなるし。

ラブ虎眼(コメ)流としては見逃せないラブコメについては若干薄めですが、
前作「ふたりの恋愛書架」で歳の差カップル(こちらは男女逆ですが)を
見事描き切ってくれた作者のことなので、今後に絶大な期待を寄せていきたい。

こんなにページを繰りながら「終わるな、終わるな、ずっと続き読みたい…!」
と思った作品は久しぶりです。残念ながら、当たり前ですが1巻は終わってしまい、
しかも続きが超気になるヒキだったので、一刻も早く続きが読みたい!




「すごく強い魔法使いと、被保護者の少女」ってどこかで似たような
作品があったような……うーんと考えたのですが、出てきたのはこれでした。



うん、なんか違う……
(魔法使いは紳士じゃなくて外道だし)

2007年7月19日木曜日

クレイモア

1~4巻で良くある妖魔バスターものかと思いきや、
5~7巻で「ベルセルク」の女性版だったと姿勢を正し、
8~11巻に至るや否や思わず目を見開いて手に汗握る展開に続きはまだか! と叫びたくなった作品です。

主人公たちがとても敵わない強大な相手と対峙し、先ほどまで隣で闘っていたはずの仲間が為す術もなく一蹴されたとき思わず読み手である自分自身の歯の根が鳴り、身体が震えました。

過去の回想によって、主人公の持つ哀しみと絶望感を読者と共有させる手法に至ったとき、これは「ベルセルク」だ。と思い至ったものの、別種の“怖さ”を感じ、今も作品を追っています。

序盤はややあっさりし過ぎている感もあり物足りませんが、過去の回想を経てから俄然面白くなり始めます。そんなところも「ベルセルク」と似ていますね(ベルセルクは過去編が一番面白いという意見もありましょうが……)。

特に、序盤ただ単ののっぺらぼうでおざなりだった妖魔のデザインが急に迫力を増し、ギーガーのデザインにも似たグロテスクな美しさを感じられるようになったあたりからは、必見と云えるでしょう。
この作者は間違いなく変態です。(「エンジェル伝説」の時から片鱗はあったけど…)

掲載紙である月刊少年ジャンプが休刊になり、週刊少年ジャンプへの移籍が発表され、先日唐突にジャンプの中に登場したものの、再登場はいつになるのでしょうか(月イチ連載なのかな?)。

いずれにせよ佳境に入り始め、加速する物語を留めては欲しくないものです。

2007年4月17日火曜日

クレイモア

1~4巻で良くある妖魔バスターものかと思いきや、
5~7巻で「ベルセルク」の女性版だったと姿勢を正し、
8~11巻に至るや否や思わず目を見開いて手に汗握る展開に
続きはまだか! と叫びたくなった作品。

主人公たちがとても敵わない強大な相手と対峙し、先ほどまで隣で闘っていたはずの仲間が為す術もなく一蹴されたとき、思わず読み手である自分自身の歯の根が鳴り、身体が震えました。

過去の回想によって、主人公の持つ哀しみと絶望感を読者と共有させる手法に至ったとき、これは「ベルセルク」だ。と思い至ったものの、別種の“怖さ”を感じ、今も作品を追っています(これを書いた時点では11巻まで刊行)。

序盤はややあっさりし過ぎている感もあり物足りませんが、過去の回想を経てから俄然面白くなり始めます。

特に、序盤おざなりだった妖魔のデザインが急に迫力を増すあたりからは、必見と云えるでしょう。この作者は間違いなく変態です。(「エンジェル伝説」のころから片鱗はあったけど…)

掲載紙である月刊少年ジャンプが休刊になるので、次は週刊少年ジャンプに移籍するそうです。週刊ペースでこのクオリティを維持するのは不可能だと思うので、おそらく月イチ掲載になるのでしょう。

いずれにせよ佳境に入り始め、加速する物語を留めては欲しくないものです。

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八木 教広

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