2013年12月9日月曜日

かみさまんが大王

最近、初読の漫画を読んでいると、あれ、これもかーと思う類似作品が多いです。

なにかというと、神様をキャラクター化しているという点。しかもラブコメ率が異様に高い。
まあ八百万の神がおわして、昔から神様をトモダチ感覚でとらえてきた日本のお国柄を考えれば至極当然のことなのかもしれません。

というわけで、比較的近年の作品の中から、読んだ神様漫画。略してかみさまんがを取り上げて紹介してみたいと思います。

かみちゅ


近年かといわれると疑問符がつきますが、はずせないのがこれ。
女子中学生が何の前触れも説明もなく神様になってしまう「かみちゅ」です。
だからといって何がどうしたということもなく普段通りの日常漫画だったりするあたりの脱力感が実によいですね。鳴子ハナハルの超絶上手くてかわいい女の子たちを見ているだけで満足できます。

いもかみさま


女の子が神様になってしまうというつながりでこれ。
水神がどうたらこうたらで神様になってしまった妹を一所懸命守ろうとするお兄ちゃんが主人公のお話。ラブコメというか基本ギャグなエロコメなんですが、時々シリアスな展開になります。
幼なじみちゃんのエロさには、読者の多くがノックアウトされたことでしょう。
神様なのは実は妹じゃなくてお兄ちゃんのほう……? という謎要素もあり、なかなか面白いです。

神様はじめました


女の子が神様になちゃう系で少女漫画から。借金のカタに売り飛ばされそうになっていた女子高生が土地神になって、ツンデレなイケメン神使(神の従者)とキャッキャウフフ♪ するお話。
花とゆめ連載作品らしく、なかなかギャグも展開もハイテンションで面白いのですが、主人公とイケメンとが両想い(この言葉使うの恥ずかしい…)になってからは若干失速気味にも感じます。もうすぐ終わるのかな… 
なお今作の男女を逆転させれば、よくあるラブコメかみさまんがと同じ状況となることに多くの人が気づいたことでしょう。少年向けだろうが少女向けだろうが、無条件に言うこときいてくれるイケメン・美少女が現れるとかそういう感じ。考えることは同じですね、まったくもって。

ぎんぎつね


実家の神社に仕える巫女の主人公と、神使として働く狐の化身が送る日常ファンタジー。アニメ化されました。神様はじめましたと思いっきり内容がかぶっているようですが、こちらのほうが若干人情話多めというか、わりとエグい話が多いです。
主人公がとにかくかわいいのも、神様はじめましたとは異なる……というと狐の神使が飛んできそうなので控えます。

くまみこ


神様ではなく神に仕える巫女さんが主人公。ど田舎の山の中で、なぜか喋れるクマと一緒に日常生活を送るという、のんびりホワホワな日常系のお話。これといって危機的状況が起きるわけでもなく、特に緊張感もないので安心してのんびり読めます。その分、特に書くこともないのが悩みどころです。

ゆめくり


温泉巡りが趣味の高校生(渋いな…)の主人公が、あるとき訪れた温泉で温泉の神様(美少女)の神事の場面に遭遇してしまいます。神事を一般人に見られた神様は神性を失ってしまいそうになりますが、神様に惚れてしまった主人公がその温泉の従業員になり「関係者」として住み込むことで、神様の神性を保つことに。そして主人公と、神様の弟子の女の子たち(いずれも美少女)たちとののんびりした奇妙な日常が始まります。 
と書くとハーレムものかと思えますが、もっぱら主役は女の子たち同士の愛情と日常といった感じで、主人公は影も形もありません。漫画として魅力的かと言われると、個人的には正直あんまり……ですが、とりあえず温泉には行きたくなる作品です。

まつるかみ


親を亡くして天涯孤独になった兄妹が、氏神を祀る家を継ぐという条件でド田舎に引っ越してきて、神様同士のいがみ合いやら怪異やらに巻き込まれながら逞しく生きていくという話。 一歩道を外れると、うっかり幽世に迷い込んだりする展開が好みです。 
白眉なのは、一見おとなしそうなお兄ちゃん。実はものすごい腹黒シスコンであるというキャラ付けも、少女漫画らしいといえばらしくて面白いです。このお兄ちゃんの本性をかいま見るためだけに読んでも損はないです、はい。

まおまりも


村の神のお嫁さまになる儀式に、手違いで捧げられてしまった男の子が、女の子になってしまうというお話。以降、男の子だった頃から実は主人公のことが好きだった実の姉(!)と、女の子になってしまったことで主人公のことを意識しはじめる親友との間で揺れ動く恋模様……なんでしょうか? 
百合展開あり、男の娘展開あり。基本姿勢はシリアスなはずなんですが、展開される恋愛事情が複雑過ぎて、どう感じて良いのか読んでいて目が回ること請け合いです。 
あ、いちおう神様であるところの「主様」も重要な役どころを担っているので、かみさまんがであることには間違いありません。衝撃の結末を見よ。

いなり、こんこん、恋いろは。


同級生の男の子に恋している冴えない女の子(主人公)が、仲良くなった神様から変身能力を与えられて、能力を使って騒動を巻き起こすというラブコメファンタジー。なんですが、主人公の行動が、これちょっと身勝手じゃない? と思う部分がなきにしもあらずで首をひねることも。 
しかし! 真の注目ポイントは、主人公に霊能力を与えた神様・宇迦之御魂神と、最初から霊能力を持っている主人公の兄との、はっきりしない恋模様にこそあります! これがラブコメ好きにはたまらないご馳走なのです。最近の展開では主人公もいろいろ改心して修行に励んだりしておりますし、うか様と兄貴もはっきり自分の気持ちを自覚し始めているので、ますます目が話せません。 
あ、あとこの作品に出てくる天照大御神は、これまで読んだ漫画作品の中で最高かつ最強の造形だと思います。2014年1月からアニメが放映されるようです。

まがつき


神社の掃除をしていた主人公が、うっかり祀られていた鏡を割ってしまい、鏡に宿っていた疫病神・禍津日神(美少女)に祟られてしまうというお話。 
この部分だけ抜粋するとなんだか怖いお話みたいですが、抜かれた魂は美少女神が所持→ずっと触れ合っていないと死んでしまう→万が一魂が抜けた時にはキスで蘇生するってなんだそりゃなエロ寄りのラブコメ作品です。 
しかも魂の所持者は紆余曲折あって
  • 美少女幼なじみ(ツンデレ)
  • 美少女最高神(ロリ)
  • 美少女ケモナー(クーデレ)
  • 美少女疫病神(天然)
の間を行ったり来たり。当然主人公は四人の女の子に囲まれた生活を送ることになるわけで、もうなんかさっさと死ねば話終わるんじゃないかなと思わざるを得ません。でもドタバタギャグとして結構面白いので目が離せないぜ。

かんなぎ


主人公が作った神様の木像に宿って女の子の神様・ナギが顕現してしまうというかんなぎです。美少女な神様が主人公と同居しててんやわんやの大騒ぎ、というかみさまんがのテンプレ・代表格とも言える作品です。 
ナギをはじめ、登場人物たちのアホっぽさが読んでいて楽しいですね。アニメ化もされて人気絶頂と思ったら、作者急病で長いこと連載を中断しており心配されましたが、最近連載を再開しました。作中で長いこと不在となっていたナギの復活と作者の復活が重なります。お身体にはお気をつけて完結までもっていっていただきたいものです。

つぐもも


主人公のお母さんの形見の着物の帯に宿った付喪神(つぐもも)が美少女になって顕現して、主人公の周辺で起きる怪異な出来事と対決するというバトル系エロコメかみさまんがです。 かんなぎの類似作品かなーと思って読んでいたら、カーブで急ハンドルを切って遥か彼方の別ベクトルへと飛んでいきました。 
巻数を重ねるごとにどんどん絵がうまく、そしてどんどんエロ要素が増しており、一体どこまで寸止めで乗り切ることができるのか、いろいろな意味で目が話せません。エロ寄りかみさまんがの最高峰(自分認定)の作品です。あるみ可愛い!

いかがだったでしょうか。
なんだろう、この異様なひらがなタイトル率。

まだまだ取りこぼしている作品はたくさんありそうなので、もしご存知のかみさまんががありましたら教えてくださいませ。