少女漫画がしばしば「恋愛」という舞台を借りているのは、それが人間が表も裏も裸になって挑まなければならない「戦い」として共感を得やすいから。
しばらく前に見事に抉られた「回転銀河」もそうだったが、「砂時計」も同様の作品でした。
抉られた。
人の強さという難しいテーマに挑み、大事なことをちゃんと、まともに正面から描き、答えを出しています。すばらしい。
8巻ラスト付近の主人公の台詞には、期せずして打ちのめされるハメに陥りました。となりで「はじめの一歩」を読んでたおばあちゃんに変な顔で見られたかも知れません(しかし、なぜあんな夜中に、しかもおばあちゃんが「はじめの一歩」を?
心の表層をさわやかになでる漫画が好きです。
共感に心を打ち震わせる漫画も大好きです。
しかしどうしても、自分はこの手の抉り系に、どうしても心惹かれてしまうらしい。読んだあとで苦しむのは自分なのに、困ったものです。
最後に作中の一文からの引用を。
「かけがえのない君に、限りない幸福を」
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